■作品について

本プロジェクトにおける作品は、単なるアート作品ではなく、地域で起きている環境課題と、その時代の行動を記録するアーカイブとして制作されています。使用される素材は、実際の海岸清掃活動や海洋ごみの実態の記録をもとにした写真素材です。これらをモザイクアートとして再構成することで、海洋ごみ問題を「一過性の出来事」ではなく、社会の記憶として可視化し、後世に残す作品として提示します。

■年度別アーカイブの構造

本プロジェクトでは、同一地域・同一テーマを複数年にわたり継続的に記録・制作します。
・回収された海洋ごみの量
・清掃活動への参加人数
・子どもたちの関わり方
・作品のサイズ、構成、色彩の変化
これらの要素を反映し、年度ごとに異なる作品として制作・展示します。その結果、環境の「改善」も「悪化」も含め、地域の現実を記録するアーカイブとして機能します。

■表現構造と意味

・モノクロ表現 海洋ごみ問題の深刻さや現状を象徴
・色彩表現 子ども、未来、希望を象徴
・余白 観覧者自身が問いを持ち、思考し、対話するための空間
これらを組み合わせることで、作品は「答えを提示するもの」ではなく、問いを社会に残す装置として構成されています

LAZOVivace(放課後デイサービス)にて、モザイクアート展展示作品制作のワークショップ風景
LAZOVivace ワークショップ風景

■子どもたちの作品と記録

本アーカイブには、放課後デイサービスなどに通う子どもたちが制作した作品や表現も含まれます。子どもたちが感じた違和感や問い、言葉にならない感情を作品として展示することで、大人や地域社会に新たな視点と気づきをもたらします。これは、子どもを「学ぶ側」ではなく社会に問いを投げかける主体として位置づける試みです。

■アーカイブとしての役割

本プロジェクトの作品群は、展示終了後も記録として蓄積され、教育・啓発・研究・次世代への継承に活用されます。
・学校教育、環境学習での教材
・行政、地域での啓発資料
・展示、イベントでの再活用
作品=記録=学びの資源として、継続的に社会へ還元されていきます。

■今後について

本アーカイブは、北九州市若松地域を起点とし、将来的には他地域・他自治体への展開も視野に入れています。地域ごとの記録を重ねることで、日本各地の環境の現状を可視化するアーカイブネットワークへと発展させていく構想です。